スポンサーサイト
2016/07/26(Tue)
一定期間更新がないため広告を表示しています
投稿者:スポンサードリンク|カテゴリ:-
コメント:-|トラックバック:-
ANTHROPIA / Non-Euclidean Spaces
2015/04/26(Sun)21:47
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★☆
FranceはNice出身、女性専任Vo1人を含む5人組による、2015年リリースのフルレンスでは3rd、Progressive Metal Album。驚きました、いやぁ、格段にスケールアップして化けましたねこりゃ。
単品で十分楽しめる曲がギッシリですが、特にイントロに続くThe Melancholy of RC、Official PVにもなっているドラマティックなCrawling Chaos、同じくPVとなった小気味良いThe Snake Denは強くオススメできます。9分の大曲に緩急を絶妙に織り交ぜたThe Part Of Them In Me、曲中盤のアコースティックギターのSpanish風ソロが疾走するFuocoなど、どの曲もかなりしっかり作り込まれ、聴き応えあります。
フルレンスでは前作The Chain Reactionから6年ぶりとなる本作、どの曲でも聴き手の耳を惹き付けて離さない魅力が一杯です。クトゥルー神話を展開するにふさわしい、強烈なドラマティシズム、点で収束するシャープで緊張感を湛えた演奏、そしてストーリーを運ぶ声には繊細さと透明感。すべての楽器がリードたりうる、テクニカルで流麗な演奏。これらの要素が、一筋縄ではいかない展開を持ちつつ、印象的で強烈なフックを備えたメロディーの上で、縦横無尽に、しかし計算され尽くされた上で暴れまわります。本人たちがMEGADETHから受けた影響は、切れ味鋭いリズムとリフに現れ、特にThe Snake Denのリフワークに顕著です。
前作では弱点に感じられたKai Hansen氏似のVo Hugues Lefebvreさんは、本作では若干サビでも高域をやや抑え気味に、極力強く歌えるようにメロディーラインを相当練ったのが伺えます。声をハモらせ、或いは女声Nathalie Olmiさんとデュエットさせたりと、中高域声質の細さを、透明感に変えるアレンジが絶妙です。二人のギタリストHugues LefebvreさんとYann Mouhadさんは二人ともかなりの実力者で、流麗で印象的なフレーズをユニゾンやソロでバッチリキメて、ドラマを盛り上げてくれます。
本作にはEdu Falaschiさんがゲスト参加して、ドラマを引き立ててくれています。ともすればバンドのVoを食っちゃう程の強力ゲストですが、物語の一部にきちっと収まり、役割の中で印象的にアピールしています。France出身と言えば他にはMANIGANCEやSPHERIC UNIVERSE EXPERIENCEなどが思い浮かびますが、取り入れた音楽的な影響は彼ら以上に幅広く、それらを消化した結果全く異なる個性を醸しています。僕はしばらく、このアルバムをがっつり聴き込みます。
気に入り度★★★★☆
FranceはNice出身、女性専任Vo1人を含む5人組による、2015年リリースのフルレンスでは3rd、Progressive Metal Album。驚きました、いやぁ、格段にスケールアップして化けましたねこりゃ。
単品で十分楽しめる曲がギッシリですが、特にイントロに続くThe Melancholy of RC、Official PVにもなっているドラマティックなCrawling Chaos、同じくPVとなった小気味良いThe Snake Denは強くオススメできます。9分の大曲に緩急を絶妙に織り交ぜたThe Part Of Them In Me、曲中盤のアコースティックギターのSpanish風ソロが疾走するFuocoなど、どの曲もかなりしっかり作り込まれ、聴き応えあります。
フルレンスでは前作The Chain Reactionから6年ぶりとなる本作、どの曲でも聴き手の耳を惹き付けて離さない魅力が一杯です。クトゥルー神話を展開するにふさわしい、強烈なドラマティシズム、点で収束するシャープで緊張感を湛えた演奏、そしてストーリーを運ぶ声には繊細さと透明感。すべての楽器がリードたりうる、テクニカルで流麗な演奏。これらの要素が、一筋縄ではいかない展開を持ちつつ、印象的で強烈なフックを備えたメロディーの上で、縦横無尽に、しかし計算され尽くされた上で暴れまわります。本人たちがMEGADETHから受けた影響は、切れ味鋭いリズムとリフに現れ、特にThe Snake Denのリフワークに顕著です。
前作では弱点に感じられたKai Hansen氏似のVo Hugues Lefebvreさんは、本作では若干サビでも高域をやや抑え気味に、極力強く歌えるようにメロディーラインを相当練ったのが伺えます。声をハモらせ、或いは女声Nathalie Olmiさんとデュエットさせたりと、中高域声質の細さを、透明感に変えるアレンジが絶妙です。二人のギタリストHugues LefebvreさんとYann Mouhadさんは二人ともかなりの実力者で、流麗で印象的なフレーズをユニゾンやソロでバッチリキメて、ドラマを盛り上げてくれます。
本作にはEdu Falaschiさんがゲスト参加して、ドラマを引き立ててくれています。ともすればバンドのVoを食っちゃう程の強力ゲストですが、物語の一部にきちっと収まり、役割の中で印象的にアピールしています。France出身と言えば他にはMANIGANCEやSPHERIC UNIVERSE EXPERIENCEなどが思い浮かびますが、取り入れた音楽的な影響は彼ら以上に幅広く、それらを消化した結果全く異なる個性を醸しています。僕はしばらく、このアルバムをがっつり聴き込みます。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
HERETIC'S DREAM / Walk the Time
2015/03/15(Sun)19:12
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★
ItaliaはRome出身の5人組による、2013年リリースの2ndフルレンス、Progressive Metal的なリズムのキレと曲展開を大胆に取り入れた、しなやかな女声を中心に据えたGothic Metal Album。CDと言うフォーマットで入手できず、Amazonからダウンロードしました。
アルバムのオープニングを飾るドラマティックで骨太な疾走曲Outcasted、続く軽快でしなやかで陰りのあるメロディーに優しい女声が乗るChains Of Bloodが出色。アコギとフルートがしっとり優しく包むBelieve In You、続く北欧Gothic風メロディーを淡々と歌い上げるShockwave、終盤でもの悲しいメロディーが躍動するBefore The Stormなど、曲の粒は揃っていると感じます。
音楽的なバックグラウンドには、Melodyの展開からはHeavinessを強調しない北欧Gothic風味を感じます。キャッチーだけど陰りのある、例えばNEGATIVEとMERCENARYを足して2で割った雰囲気。それに、リズム隊のキレと変則的なリズムチェンジなどからはDREAM THEATER以降のProg Metal Bandからの影響を感じます。更に優しい曲からは、Italia周辺と見られるPop音楽と思われる独特のエッセンスを感じます。
Lead GuiteristのAndrej Sraceさんによる曲は、イントロから本編に移るのに、ガラッと雰囲気を変えて意表を突く展開もあり、メロディーの組み立てに懐の深さを感じます。VoのFrancesca di VenturaさんはOperaティックに地声を轟かせるタイプと異なり、Heavyな曲でもバラードでも普通で淡々としっとり歌い上げています。個人的にはPVでかっこ良かった、DsのDaniele Corteseさんが気に入りました。
気が付いたらリピートしていた、良いアルバムでした。彼らはこのあと新しいアルバムを間もなくリリースするようです。本作では強烈なインパクトを持つ曲が2曲、今後の期待につながるなと思いました。んー、次はちゃんとCDフォーマットでアルバムを届けて欲しいなぁ、ダメ?(笑)
気に入り度★★★★
ItaliaはRome出身の5人組による、2013年リリースの2ndフルレンス、Progressive Metal的なリズムのキレと曲展開を大胆に取り入れた、しなやかな女声を中心に据えたGothic Metal Album。CDと言うフォーマットで入手できず、Amazonからダウンロードしました。
アルバムのオープニングを飾るドラマティックで骨太な疾走曲Outcasted、続く軽快でしなやかで陰りのあるメロディーに優しい女声が乗るChains Of Bloodが出色。アコギとフルートがしっとり優しく包むBelieve In You、続く北欧Gothic風メロディーを淡々と歌い上げるShockwave、終盤でもの悲しいメロディーが躍動するBefore The Stormなど、曲の粒は揃っていると感じます。
音楽的なバックグラウンドには、Melodyの展開からはHeavinessを強調しない北欧Gothic風味を感じます。キャッチーだけど陰りのある、例えばNEGATIVEとMERCENARYを足して2で割った雰囲気。それに、リズム隊のキレと変則的なリズムチェンジなどからはDREAM THEATER以降のProg Metal Bandからの影響を感じます。更に優しい曲からは、Italia周辺と見られるPop音楽と思われる独特のエッセンスを感じます。
Lead GuiteristのAndrej Sraceさんによる曲は、イントロから本編に移るのに、ガラッと雰囲気を変えて意表を突く展開もあり、メロディーの組み立てに懐の深さを感じます。VoのFrancesca di VenturaさんはOperaティックに地声を轟かせるタイプと異なり、Heavyな曲でもバラードでも普通で淡々としっとり歌い上げています。個人的にはPVでかっこ良かった、DsのDaniele Corteseさんが気に入りました。
気が付いたらリピートしていた、良いアルバムでした。彼らはこのあと新しいアルバムを間もなくリリースするようです。本作では強烈なインパクトを持つ曲が2曲、今後の期待につながるなと思いました。んー、次はちゃんとCDフォーマットでアルバムを届けて欲しいなぁ、ダメ?(笑)
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
HEIMDALL / Aeneid
2013/04/24(Wed)00:22
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★
Italy出身6人組による、2013年リリースの5枚目、トリプルギター編成でEpic風味をふんだんに盛り込んだ正統派Heavy Metal Album、古代ローマ時代の帝国の興亡を描いたコンセプト作と思われます。
物語の幕開けに勇ましく立ち上がるForced By Fateから、劇的な旋律が雄々しく疾走するSave Youへの流れが素晴らしい。ストリングスが剛直なサウンドと溶け合うようなGates Of War、素朴に物語の終盤で緩急硬軟を巧みに織り交ぜた劇的なNight On The Worldもカッコいい。戦闘の悲惨さを静かに嘆くBallad Of The Queen、Pianoクワイアでしっとり鎮魂するAwayといったBalladもいい。戦いの物語に続編を匂わせるThe Last Actで締めくくる構成は巧いです。
ストイックなサウンドに所々繊細さを織り込んだ展開は、当地のEpic/Symphonicな味付けを含んだHAMMERFALLというサウンドの趣です。僕が知っていたHEIMDALLは彼らのデビュー当時から3枚目までの、オーケストレーションを多分に含ませてドラマティシズムを増幅させたEpic Metalを主成分にしたサウンドでしたが、個人的な感想では作を追うごとに正統派のもつストイックで力強いサウンドを増すのと引き換えに、メロディーの煽情力が徐々に弱まっていました。本作はVoが導くマイナースケールの歌のメロディーそのものの魅力を増し、インスト部分でアコースティック楽器でジワリとメロディーを沁みださせる所、リズミカルな音圧でメロディーを耳に流し込む所、ゲストKey Sergio DuccilliさんによるPianoの音色であっさり味付けした所に力強いサウンドを乗せる所、全編を通してメリハリのつけ方が絶妙。インスト部分では、Yngwie氏並みに流麗でネオクラシカルなCarmero Clapsさんのプレイが此処彼処で胸に迫ります。
楽曲とストーリーの調和が互いに高めあい、HEIMDALLの一連の作品の中で、もしかしたら本作は最高作になるかも知れませんね。Voの線の細さと、それを補おうとする細かいビブラートは、もしかしたら好き嫌いを分けるかも知れませんが、僕は線の細さこそが物語のもの悲しさを伝えてくれている気がします。あと英語の発音がちょっと気になるかな、もしかしたら英語圏では苦戦を強いられるかも。心にぐっと迫る良いサウンドが僕は好きなので、本作の健闘を祈りたいです。
気に入り度★★★★
Italy出身6人組による、2013年リリースの5枚目、トリプルギター編成でEpic風味をふんだんに盛り込んだ正統派Heavy Metal Album、古代ローマ時代の帝国の興亡を描いたコンセプト作と思われます。
物語の幕開けに勇ましく立ち上がるForced By Fateから、劇的な旋律が雄々しく疾走するSave Youへの流れが素晴らしい。ストリングスが剛直なサウンドと溶け合うようなGates Of War、素朴に物語の終盤で緩急硬軟を巧みに織り交ぜた劇的なNight On The Worldもカッコいい。戦闘の悲惨さを静かに嘆くBallad Of The Queen、Pianoクワイアでしっとり鎮魂するAwayといったBalladもいい。戦いの物語に続編を匂わせるThe Last Actで締めくくる構成は巧いです。
ストイックなサウンドに所々繊細さを織り込んだ展開は、当地のEpic/Symphonicな味付けを含んだHAMMERFALLというサウンドの趣です。僕が知っていたHEIMDALLは彼らのデビュー当時から3枚目までの、オーケストレーションを多分に含ませてドラマティシズムを増幅させたEpic Metalを主成分にしたサウンドでしたが、個人的な感想では作を追うごとに正統派のもつストイックで力強いサウンドを増すのと引き換えに、メロディーの煽情力が徐々に弱まっていました。本作はVoが導くマイナースケールの歌のメロディーそのものの魅力を増し、インスト部分でアコースティック楽器でジワリとメロディーを沁みださせる所、リズミカルな音圧でメロディーを耳に流し込む所、ゲストKey Sergio DuccilliさんによるPianoの音色であっさり味付けした所に力強いサウンドを乗せる所、全編を通してメリハリのつけ方が絶妙。インスト部分では、Yngwie氏並みに流麗でネオクラシカルなCarmero Clapsさんのプレイが此処彼処で胸に迫ります。
楽曲とストーリーの調和が互いに高めあい、HEIMDALLの一連の作品の中で、もしかしたら本作は最高作になるかも知れませんね。Voの線の細さと、それを補おうとする細かいビブラートは、もしかしたら好き嫌いを分けるかも知れませんが、僕は線の細さこそが物語のもの悲しさを伝えてくれている気がします。あと英語の発音がちょっと気になるかな、もしかしたら英語圏では苦戦を強いられるかも。心にぐっと迫る良いサウンドが僕は好きなので、本作の健闘を祈りたいです。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
SHADES OF SYN / Rust From Inside
2013/03/10(Sun)18:25
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★☆ FranceはBesançon出身の、本作制作時は3人組(2012年5月現在は4人組)の2010年発売デビュー作、Melodic Death Metal Album。
イントロに次いで飛び出す軽快で耳をスマッシュヒットするSkill Of Roaring、掛け声で突進するThanks to Die for Me、リフとブレークが爽快なWell Dressed Eradicate、ラストのWith Shades You're Gonna Liveが特にかっこいいです。Middle Tempoでツインリードがじっくり絡むDisrupted Life System、本家のオマージュが色濃いSyndromeなど、ほかの曲もメロディーが良く、楽しめました。
一聴してすぐ3作目迄の初期CHILDREN OF BODOMを想起させます。ブラストビートを使わず、Up〜Middle Tempoの楽曲にツインリード、ガリガリした感触のDeath声、そこに荘厳な音色のキーボードがかなり前面に出てきています。ただし、クラシカルフレーバーは希薄で、本人たちはむしろ、GUNS N' ROSESのようなRockしている雰囲気を出そうとした模様です。当初はBassプレーヤーを持たない編成で、大々的に取り込んでいるkeyの音色は、セッション(クレジットには「Sample Sound Design」と記載)のようです。疾走パートはリズム隊とリフがきっちり締まって、そこに本家譲りのブレークやリズムチェンジを度々挟み込んで、メリハリがかっこいいです。が、彼ら、本家とちょっと違うのは、Middle Tempoの曲のメロディーがGuter Soloも含めてよく練られていて、中だるみを感じないです。
時折、KeyやGuiterソロのリズム感が「あれっ!?」とズレることがあるのは、レコーディングできっちり作りこめなかったから、かも。ただ、それ以外では、キレがあってメロディアスなリフと堅実なDsとの調和は、がっちりと絡めば悪くない、むしろカッコいいと感じます。一流どころと比べると、叩くほどに埃が出てしまいますが、弱点のタイム感は僕に「伸び代」として感じられ、楽しく聴けました。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
SECRET SPHERE / Portrait Of A Dying Heart
2013/01/27(Sun)18:43
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★
Italia出身6人組による、2012年リリースの7作目、Melodic Speed Metal Album。"She Complies With The Night"というショートストーリーをコンセプトにしています。
やや長いイントロから聴き覚えのある中高域が疾走するX、ドラマティックな3連符の重いリフにCoolなサビが乗るWish & Steadiness、Middle Tempoと熱唱でジワリと旨みが溢れるLie To Me、ラストを飾る劇的なスローバラードEternityが特に気に入りました。出足のタイトルインストTunePortrait Of A Dying Heart、メジャーキーを織り込んだUnion、無機質なリフからぱっと開けるようなサビを持つThe Fall、スリリングに疾走する押せ押せのSecrets Fearなど、全曲よく練られています。
前作と方向性はほぼ同じで、VISION DIVINEや2ndから3rdのLABYRINTHのような、リフ主体にメロディーを乗せるタイプで、「ItalianのメロディアスなSpeed Metal」でイメージできるアルバムになりました。前作Alchetypeでのメロディーの完成度で「ここと言うところの盛り上がりの弱さ」を感じた部分は、ライターにメインのAldo Lonobileさんの他、本作から加入したMichele Luppiさんも加わった事で、本作ではほぼ完全に改善されており、耳を惹く印象深いメロディーが要所でしっかり納められ、垢抜けた印象を与えています。同時に、前作までのVoで気になっていた「音程の揺らぎ」も、Micheleさんに交代することで、前作同様力強い中高域を中心に組み立てられた歌メロに重厚な安定感を齎しています。スピード感のある曲も多いのですが、決してスピードに頼らず、メロディーがAメロBメロともにしっかり練られて、しかもサビの盛り上がりがきっちり確保されていると感じます。
メロディーの完成度と魅力を大幅にアップしてうれしいアルバムになりました。ただ、前作に比べて楽曲のバリエーションがやや後退し、ギターリフを中心に疾走感が随分前面に出たこと、Keyの比重がやや下がったこと、Micheleさんが持ち込んだ個性によって、Mecheleさん在籍時のVISION DIVINEそのものに感じてしまいました。また、個人的にはMicheleさんのキャリアで手持ちで一番気に入っているStream Of Consciousnessにはインパクトという面では譲る気がします。やや言い過ぎでしょうか、でも次作以降はメロディーの魅力をそのままに、Italian Speed Metalから一歩抜け出すのを期待してしまいます。本作は本作で、とても良いアルバムだったと思います。
気に入り度★★★★
Italia出身6人組による、2012年リリースの7作目、Melodic Speed Metal Album。"She Complies With The Night"というショートストーリーをコンセプトにしています。
やや長いイントロから聴き覚えのある中高域が疾走するX、ドラマティックな3連符の重いリフにCoolなサビが乗るWish & Steadiness、Middle Tempoと熱唱でジワリと旨みが溢れるLie To Me、ラストを飾る劇的なスローバラードEternityが特に気に入りました。出足のタイトルインストTunePortrait Of A Dying Heart、メジャーキーを織り込んだUnion、無機質なリフからぱっと開けるようなサビを持つThe Fall、スリリングに疾走する押せ押せのSecrets Fearなど、全曲よく練られています。
前作と方向性はほぼ同じで、VISION DIVINEや2ndから3rdのLABYRINTHのような、リフ主体にメロディーを乗せるタイプで、「ItalianのメロディアスなSpeed Metal」でイメージできるアルバムになりました。前作Alchetypeでのメロディーの完成度で「ここと言うところの盛り上がりの弱さ」を感じた部分は、ライターにメインのAldo Lonobileさんの他、本作から加入したMichele Luppiさんも加わった事で、本作ではほぼ完全に改善されており、耳を惹く印象深いメロディーが要所でしっかり納められ、垢抜けた印象を与えています。同時に、前作までのVoで気になっていた「音程の揺らぎ」も、Micheleさんに交代することで、前作同様力強い中高域を中心に組み立てられた歌メロに重厚な安定感を齎しています。スピード感のある曲も多いのですが、決してスピードに頼らず、メロディーがAメロBメロともにしっかり練られて、しかもサビの盛り上がりがきっちり確保されていると感じます。
メロディーの完成度と魅力を大幅にアップしてうれしいアルバムになりました。ただ、前作に比べて楽曲のバリエーションがやや後退し、ギターリフを中心に疾走感が随分前面に出たこと、Keyの比重がやや下がったこと、Micheleさんが持ち込んだ個性によって、Mecheleさん在籍時のVISION DIVINEそのものに感じてしまいました。また、個人的にはMicheleさんのキャリアで手持ちで一番気に入っているStream Of Consciousnessにはインパクトという面では譲る気がします。やや言い過ぎでしょうか、でも次作以降はメロディーの魅力をそのままに、Italian Speed Metalから一歩抜け出すのを期待してしまいます。本作は本作で、とても良いアルバムだったと思います。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
THY MAJESTIE / ShiHuangDi
2013/01/12(Sat)18:05
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★☆
Italy出身5人組による、2012年リリースの6作目(自費出版を含めて)、Symphonic Power Metal Album。秦始皇帝に関するコンセプト作です。
始皇帝の生涯のうち、武力で諸国を併呑して中国統一を成し遂げた偉業を、メロディーを疾走させてダイナミックに表現したSeven ReignsからHarbinger of New Dawnへの流れ、染み入る女声とメロディーの小技が効いたFarewell、強さと儚さと華麗なGuiterが曲を強く印象付けるEphemeralが特に気に入りました。反乱(分子ら)を力でねじ伏せるUnder The Same Sky、転調とクワイアを巧みに組み合わせたWalls Of The Empire、終盤をダークにもの悲しく飾るEnd Of The DaysからRequiemの流れまで、徹頭徹尾素晴らしい曲が並びます。
中国全土を初めて統一した秦始皇帝の一生、春秋戦国時代末期から彼の死の期間をモチーフに、そのストーリーを主だったポイントを押さえながら50分に圧縮し、それらをドラマティックに苛烈に悲壮にアレンジした楽曲が展開されていきます。元々Symphonicアレンジには非凡なものを持ち合わせた彼らですが(2ndと3rdを聴いた印象です)、先輩にあたるRHAPSODY(OF FIRE)のようにMetalと異なる部分に力が分散することなく、音圧とスピード感をかなりしっかり残した作風に心が躍ります。サビに限らず要所で転調を多用しているのと、緩急のリズムチェンジがやはり至る所で聴かれ、曲の構成はどの曲にあっても相当練られています。素晴らしいメロディーにアレンジ、曲間を彩る短いインストと、曲を盛り上げるテクニカルでCoolなKeyやGuiterのソロ、線の細さが逆にストーリーの悲壮さを際立たせるようなVo、どれも本作を一大抒情詩に纏め上げた貴重な要素です。それらのお蔭で、コンセプト作にありがちな「あたまでっかち」さを防いでいます。
メロディーでの中華風味は隠し味に留められ、Italian Sympho的劇的で華麗なサウンドをたっぷり楽しめます。ブックレットにはストーリーをさらに圧縮したナレーションが歌詞の冒頭にあり、映画や書物に触れずとも概略が掴めるのがとても親切、ストーリーに触れた方が本作は楽しめると思います。サウンドとストーリーが互いに共鳴しあう、良いアルバムだったと思います。波乱に満ちた始皇帝の太く短い生涯を圧縮して届けてくれた彼らに、「☆」を敬意を表して記させていただきます。
気に入り度★★★★☆
Italy出身5人組による、2012年リリースの6作目(自費出版を含めて)、Symphonic Power Metal Album。秦始皇帝に関するコンセプト作です。
始皇帝の生涯のうち、武力で諸国を併呑して中国統一を成し遂げた偉業を、メロディーを疾走させてダイナミックに表現したSeven ReignsからHarbinger of New Dawnへの流れ、染み入る女声とメロディーの小技が効いたFarewell、強さと儚さと華麗なGuiterが曲を強く印象付けるEphemeralが特に気に入りました。反乱(分子ら)を力でねじ伏せるUnder The Same Sky、転調とクワイアを巧みに組み合わせたWalls Of The Empire、終盤をダークにもの悲しく飾るEnd Of The DaysからRequiemの流れまで、徹頭徹尾素晴らしい曲が並びます。
中国全土を初めて統一した秦始皇帝の一生、春秋戦国時代末期から彼の死の期間をモチーフに、そのストーリーを主だったポイントを押さえながら50分に圧縮し、それらをドラマティックに苛烈に悲壮にアレンジした楽曲が展開されていきます。元々Symphonicアレンジには非凡なものを持ち合わせた彼らですが(2ndと3rdを聴いた印象です)、先輩にあたるRHAPSODY(OF FIRE)のようにMetalと異なる部分に力が分散することなく、音圧とスピード感をかなりしっかり残した作風に心が躍ります。サビに限らず要所で転調を多用しているのと、緩急のリズムチェンジがやはり至る所で聴かれ、曲の構成はどの曲にあっても相当練られています。素晴らしいメロディーにアレンジ、曲間を彩る短いインストと、曲を盛り上げるテクニカルでCoolなKeyやGuiterのソロ、線の細さが逆にストーリーの悲壮さを際立たせるようなVo、どれも本作を一大抒情詩に纏め上げた貴重な要素です。それらのお蔭で、コンセプト作にありがちな「あたまでっかち」さを防いでいます。
メロディーでの中華風味は隠し味に留められ、Italian Sympho的劇的で華麗なサウンドをたっぷり楽しめます。ブックレットにはストーリーをさらに圧縮したナレーションが歌詞の冒頭にあり、映画や書物に触れずとも概略が掴めるのがとても親切、ストーリーに触れた方が本作は楽しめると思います。サウンドとストーリーが互いに共鳴しあう、良いアルバムだったと思います。波乱に満ちた始皇帝の太く短い生涯を圧縮して届けてくれた彼らに、「☆」を敬意を表して記させていただきます。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
LORD OF MUSHROOMS / Perspectives
2012/12/22(Sat)23:05
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★
Italia人2名とBrasil人1名を含む、フランス出身5人組による、2012年リリースの3rd、Progressive Metal Album。
躍動感と身軽さと独特の浮遊感をすぐに楽しめるImago、うねるギターと華やかなハイトーンが対比するWarmth In The Wilderness、物憂げな出足から悲しさを湛えたメロディーが広がるThe Missing Link、リズムが変幻自在で終盤での力強いテンポとメロディーのAwakenなどが特に気に入りました。大粒の涙の雨を思わせるHeavyで軽快なRaindrops On My Wings、ちょっとJazzyな浮遊感とHeavinessが溶け合うNyx's Robe等もよかったです。
Progressive Metalを標榜するバンドならでわの、アイデアの豊富さ、リズムの多彩さに圧倒されます。強いリズムと滑らかなミドル〜ハイトーンのVoの組み合わせや、力強いリフと複雑なリズムパターンでは、DREAM THEATERやRUSHを師に仰いでいるよう。但し、Heavy Metal界隈の予定調和的な展開が少なく、意表を突く楽器のアレンジやメロディーラインでは、各楽器がインプロヴィゼーション感覚満載で、とっ散らかっているように見えて、実は絶妙なバランスで構成されているのに気づきます。JAZZ/Fusionからのインプットが多く感じられます。マイナースケールのみで作られた楽曲が無く、メジャーキーとその転調を巧みに組み合わせていて、叙情や泣きを含んで強く染み込むのではなく、アコースティック楽器などを使ったり、リズムに乗って軽快に弾ませたり、鼻歌などで軽く楽しげに追いかけたくなるような優しいメロディーが沢山入っています。
前作よりも本作の方が、僕には楽しみやすかったとは思います。複雑なリズムパターンであっても、ふんわり優しいメロディーがとても多く親しみやすいと思いました。メジャーキーの曲が主体で抒情を主張しない彼らのスタイル、ただ、それをしっかり味わえるようになるのに、僕には結構時間が要りました。RIVERSIDEのように、何かをしている間に後ろでさりげなく掛かって居る音のほうが、僕の楽しみ方に合っていたのかも。
気に入り度★★★★
Italia人2名とBrasil人1名を含む、フランス出身5人組による、2012年リリースの3rd、Progressive Metal Album。
躍動感と身軽さと独特の浮遊感をすぐに楽しめるImago、うねるギターと華やかなハイトーンが対比するWarmth In The Wilderness、物憂げな出足から悲しさを湛えたメロディーが広がるThe Missing Link、リズムが変幻自在で終盤での力強いテンポとメロディーのAwakenなどが特に気に入りました。大粒の涙の雨を思わせるHeavyで軽快なRaindrops On My Wings、ちょっとJazzyな浮遊感とHeavinessが溶け合うNyx's Robe等もよかったです。
Progressive Metalを標榜するバンドならでわの、アイデアの豊富さ、リズムの多彩さに圧倒されます。強いリズムと滑らかなミドル〜ハイトーンのVoの組み合わせや、力強いリフと複雑なリズムパターンでは、DREAM THEATERやRUSHを師に仰いでいるよう。但し、Heavy Metal界隈の予定調和的な展開が少なく、意表を突く楽器のアレンジやメロディーラインでは、各楽器がインプロヴィゼーション感覚満載で、とっ散らかっているように見えて、実は絶妙なバランスで構成されているのに気づきます。JAZZ/Fusionからのインプットが多く感じられます。マイナースケールのみで作られた楽曲が無く、メジャーキーとその転調を巧みに組み合わせていて、叙情や泣きを含んで強く染み込むのではなく、アコースティック楽器などを使ったり、リズムに乗って軽快に弾ませたり、鼻歌などで軽く楽しげに追いかけたくなるような優しいメロディーが沢山入っています。
前作よりも本作の方が、僕には楽しみやすかったとは思います。複雑なリズムパターンであっても、ふんわり優しいメロディーがとても多く親しみやすいと思いました。メジャーキーの曲が主体で抒情を主張しない彼らのスタイル、ただ、それをしっかり味わえるようになるのに、僕には結構時間が要りました。RIVERSIDEのように、何かをしている間に後ろでさりげなく掛かって居る音のほうが、僕の楽しみ方に合っていたのかも。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
SOLISIA / UniverSeasons
2012/12/04(Tue)01:40
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★☆ItalyはRoma出身5人組による、2012年リリースの2nd、Progressive Heavy Metal Album。手応えありの、かなりの力作っすね!
出足にぐいぐい聴き手を引き込むタイトル曲UniverSeasons、ミステリアスとコミカルが溶け合う独特の歌い回しのMind Killer、メランコリックな旋律が図太いリフに乗るMiddle TempoのAll I Want、サビのコーラスが胸を締め付けるFrom Dusk Till Dawn、Voのメロディーラインが独特で耳にこびりつくQueen's Crown、涙腺を最後の最後で貫通させる慟哭のメロディーI Lose Myselfが特に気に入りました。怒涛のリフがメロディーと疾走する序盤のThe Guns Fall Silent、中盤のDirty Feeling(Merciful Sin)、いやあ、全く隙のない、全編聴きどころです。
90年代以降のProg Metalにあこがれつつ、今の空気をいっぱいに吸い込んで、Metalcore的な馬力と分厚さを持たせた強靭なリフが彼らの個性かな。根っこに感じるのは、ATHENAや2nd〜3rdのLABYRINTHの様なエレガントなkeyと馬力を兼ね備えたバンド、KAMELOTの様なSymphonic Tasteと、2ndの頃のIN THIS MOMEMTやAMARANTHE等が持ち合わせる、器用で巧い女声が織りなすキャッチーなVoのライン、這いずりながら機動力抜群のクールなリフと思われます。どの曲もドラマティックで、場面に応じて喜怒哀楽を前面に出すElie Syreliaさんが、胸を締め付けるメロディーを表情豊かに歌い上げます。時折元ちとせさんっぽい、独特のビブラートに耳がそばだちます。メロディーの即効性は抜群です。といっても、「次はこう来るかな・・・」と思いながら聴いても、ことごとく絶妙に「躱したり」「いなされたり」ような展開には驚かされっぱなしで、時にシアトリカル、時にストレートに、湧き上がるようなアイデア満載です。
馬力も、陰りのある沁みるメロディーも、全体の長さも、全く持って申し分がなく、聴き応えは十分。メロディーの虜になってリピートしても、聴くたびにどこかしら新たな発見のあって、懐の深い作りには感服します。音圧やスピードだけに頼らないメロディーの練り込みは立派、おかげで、昨日まで聴いていたアルバムがすっかり霞んでしまいました。良いアルバムに出会えてよかった、手ごたえばっちりです。皆さんにお勧めできますよ。この後も楽しみです!
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
VENTIRUA / Dawn Of A New Era
2012/12/02(Sun)15:16
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★☆
France出身の本作制作時には4人組による、2012年リリースの3rd、Progressive Metal Album。
メランコリックな男女ダブルVoがぐっと耳に迫るDevil In Disguiseと、ラストのドラマティックでリズムチェンジとアコースティックギターが起伏を与えるA Land Of Dreamsが秀逸。小気味良いリズムにハッとする絶妙な転調がフックになるWhat We're Here For、メロディアスな男女コーラスと切れ味あるBass Soloがぴりりと効くPhoenix、スロー気味でしっとり聴かせるSpiritual Pathなど、良いメロディーがたくさん聴けます。
女声と男声のツインボーカルですが、Gothic的な沈み込みは無く、どっちも声域が近く、瑞々しく張りのある声で力強く歌い上げています。バックにはDREAM THEATER以降の、Prog Metalバンド群の特徴であるタイトでクリアなリズム隊を軸に、時折雪崩打つようなパートも取り入れたり、意図的にタメを作って粘りとちょっとしたHeavinessを醸したり、幅広いアプローチでアルバムに起伏を与えます。メインに Lydie Lazulli さんの張りのある力強いクリアな女声を据え、歌いだしやバックコーラスでChaly Sahona さんが受け持ち、サビなどでは二人の声がうまく調和して、ライブでも強力な武器になりそうです。Chaly さんの表情豊かな歌唱は、曲調により印象を巧く変え、本作のインパクトに大きく影響していると思います。GuiterとBassのソロパートはそれぞれテクニカルで、曲によりソロを分け合っています。曲のパターンはオーソドックスなMetalの範疇ですね。
アルバム全体では全編、パーツ毎には印象的なメロディーが聴けますし、ちょっと陰りのある全体でもしっかり纏まっている印象はあります。但しキャッチーさなどで突き抜けた曲が少なく、サビで盛り上がりそうな所でもう一つ盛り上がらない部分が見受けられ、アルバム中盤以降ではミドルテンポ中心で緊張感が緩んでしまい、アルバム全体の収録時間が40分にも満たないのに、個人的にはおなか一杯になってしまいます。Prog Metalが好きな方で、しなやかでメロディアスな女声でも大丈夫な方には、アピールすると思います。
気に入り度★★★☆
France出身の本作制作時には4人組による、2012年リリースの3rd、Progressive Metal Album。
メランコリックな男女ダブルVoがぐっと耳に迫るDevil In Disguiseと、ラストのドラマティックでリズムチェンジとアコースティックギターが起伏を与えるA Land Of Dreamsが秀逸。小気味良いリズムにハッとする絶妙な転調がフックになるWhat We're Here For、メロディアスな男女コーラスと切れ味あるBass Soloがぴりりと効くPhoenix、スロー気味でしっとり聴かせるSpiritual Pathなど、良いメロディーがたくさん聴けます。
女声と男声のツインボーカルですが、Gothic的な沈み込みは無く、どっちも声域が近く、瑞々しく張りのある声で力強く歌い上げています。バックにはDREAM THEATER以降の、Prog Metalバンド群の特徴であるタイトでクリアなリズム隊を軸に、時折雪崩打つようなパートも取り入れたり、意図的にタメを作って粘りとちょっとしたHeavinessを醸したり、幅広いアプローチでアルバムに起伏を与えます。メインに Lydie Lazulli さんの張りのある力強いクリアな女声を据え、歌いだしやバックコーラスでChaly Sahona さんが受け持ち、サビなどでは二人の声がうまく調和して、ライブでも強力な武器になりそうです。Chaly さんの表情豊かな歌唱は、曲調により印象を巧く変え、本作のインパクトに大きく影響していると思います。GuiterとBassのソロパートはそれぞれテクニカルで、曲によりソロを分け合っています。曲のパターンはオーソドックスなMetalの範疇ですね。
アルバム全体では全編、パーツ毎には印象的なメロディーが聴けますし、ちょっと陰りのある全体でもしっかり纏まっている印象はあります。但しキャッチーさなどで突き抜けた曲が少なく、サビで盛り上がりそうな所でもう一つ盛り上がらない部分が見受けられ、アルバム中盤以降ではミドルテンポ中心で緊張感が緩んでしまい、アルバム全体の収録時間が40分にも満たないのに、個人的にはおなか一杯になってしまいます。Prog Metalが好きな方で、しなやかでメロディアスな女声でも大丈夫な方には、アピールすると思います。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe
KRAMPUS / Survival Of The Fittest
2012/11/11(Sun)20:22
JUGEMテーマ:HR/HM
気に入り度★★★★☆
Italia出身8人編成による、2012年リリースの1st、Folk/Viking Metal Album。かなり強烈、今年のベスト盤候補です。
オープニングでメロディーとリズムの切れ味を見せつけるBeast Within、Violinに乗ってDeath声が噛みつくUnspoken、怒涛の音圧とそれを躱したり和らげるようなKeyとFluteが溶け合うRedemption、シャッフル/ワルツ調から普通声のサビが爽やかなKronos' Heritage、正統派の先輩の影響を漂わせつつドラマティックなTears Of Stoneが特に気に入りました。ザクザクのリフとFluteが溢れるRebirth、途中でケルト風味が溢れるShadows Of Our Time、音圧と繊細さが同居するBonusのThe Season Of Revengeなど、全曲隙が無く、一枚丸ごと楽しめます。
Folk/Viking Metalと言えば、北欧や中央ヨーロッパが産地として思い浮かびますが、Italiaから「迎え撃つ」ようなサウンドが新鮮です。大所帯で牧歌的なアプローチなので、スイス出身のELVEITIEが思い浮かびます。但しKRAMPUSの場合は、Folk的なアプローチはPianoやAcoustic Guiterのほか、Violin、Flute、Bagpipes、Irish Bouzouki(マンドリンに近い楽器)などの導入では先人の手本を感じるものの、例えばHate Crew Deathrollの頃のCHILDREN OF BODOMとかDamage Doneの頃のDARK TRANQUILLITYの音圧とメロディーの調和を主体に、今のMetalcore的感覚をほんのり塗したサウンドです。楽器が沢山フィーチュアされて居るにも拘らず、実直で切れ味のあるサウンドを創造していると思います。実直な部分はUKの正統派に通じる馬力と雰囲気を感じ、他の欧州のバンドとは一線を画す個性になっていると感じます。
実直でドラマティックで牧歌的でメロディーのいい、癒されながら気持ちよく頭を振れる、良いアルバム。今は全曲の作曲とプロデュースをFillipo Gianottiさんが手がけて居ますが、この後ライターが他メンバーに広がっていったり、ケルト風味を強めてくる可能性があったり、UKの大先輩Metal Groupからのストレートなサウンドを取り入れたり、楽器群を整理整頓して埋もれがちな繊細な楽器を際立たせるなど、この後の可能性が果てしなく広がる、ポテンシャル一杯のアルバムだと思います。今はこのバンドに出会えてよかった。素晴らしい一枚でした。
気に入り度★★★★☆
Italia出身8人編成による、2012年リリースの1st、Folk/Viking Metal Album。かなり強烈、今年のベスト盤候補です。
オープニングでメロディーとリズムの切れ味を見せつけるBeast Within、Violinに乗ってDeath声が噛みつくUnspoken、怒涛の音圧とそれを躱したり和らげるようなKeyとFluteが溶け合うRedemption、シャッフル/ワルツ調から普通声のサビが爽やかなKronos' Heritage、正統派の先輩の影響を漂わせつつドラマティックなTears Of Stoneが特に気に入りました。ザクザクのリフとFluteが溢れるRebirth、途中でケルト風味が溢れるShadows Of Our Time、音圧と繊細さが同居するBonusのThe Season Of Revengeなど、全曲隙が無く、一枚丸ごと楽しめます。
Folk/Viking Metalと言えば、北欧や中央ヨーロッパが産地として思い浮かびますが、Italiaから「迎え撃つ」ようなサウンドが新鮮です。大所帯で牧歌的なアプローチなので、スイス出身のELVEITIEが思い浮かびます。但しKRAMPUSの場合は、Folk的なアプローチはPianoやAcoustic Guiterのほか、Violin、Flute、Bagpipes、Irish Bouzouki(マンドリンに近い楽器)などの導入では先人の手本を感じるものの、例えばHate Crew Deathrollの頃のCHILDREN OF BODOMとかDamage Doneの頃のDARK TRANQUILLITYの音圧とメロディーの調和を主体に、今のMetalcore的感覚をほんのり塗したサウンドです。楽器が沢山フィーチュアされて居るにも拘らず、実直で切れ味のあるサウンドを創造していると思います。実直な部分はUKの正統派に通じる馬力と雰囲気を感じ、他の欧州のバンドとは一線を画す個性になっていると感じます。
実直でドラマティックで牧歌的でメロディーのいい、癒されながら気持ちよく頭を振れる、良いアルバム。今は全曲の作曲とプロデュースをFillipo Gianottiさんが手がけて居ますが、この後ライターが他メンバーに広がっていったり、ケルト風味を強めてくる可能性があったり、UKの大先輩Metal Groupからのストレートなサウンドを取り入れたり、楽器群を整理整頓して埋もれがちな繊細な楽器を際立たせるなど、この後の可能性が果てしなく広がる、ポテンシャル一杯のアルバムだと思います。今はこのバンドに出会えてよかった。素晴らしい一枚でした。
投稿者:X(Peke)|カテゴリ:Latin Europe